空調タイムス【100年続く優良企業を標榜 将来の人材育成に本腰】

【空調タイムス掲載記事引用】


 今年創業45周年を迎えた竹本設備(社長=竹本五郎氏、本社・大阪府摂津市鳥飼本町3-11-18)は空調ダクト製作・施工を本業とする関西有数のダクトプロ集団だ。一般空調分野より産業空調分野へ踏み込み、大手製薬メーカーの研究開発施設や薬品生産工場などでクリーンルーム(CR)用ダクトの高品質品の供給と確実な施工技術が強み。基幹技能者11人、一級ダクト鈑金技能士20人が在籍するなどダクトに関する知見と技術を持つ人材を豊富に抱える。同社は100年続く優良企業に発展し続けることを標榜。当面は折り返し点となる50周年に向け事業基盤強化に乗り出している。今期(2014年7月-15年6月)は将来の事業活動の原資となる人材育成に本腰を入れる。


 竹本社長は事業方針について「当社は日ごろから規模の拡大を優先している訳ではない。製作や施工を通じて高品質のダクトをお客さまにご提供し、そこから得られる顧客満足により評価と対価を得たいと考えている」と話す。同社は技術社員らのダクト製作上での品質意識はもちろん、現場に出向く協力会社の社員らとの間でも意思統一を図り、高品質で付加価値を生むダクトの提供を心掛け、実践している。


 今期も大手総合設備業者などから大手薬品メーカーをはじめ工場の新築や増改築に伴うCR用ダクト工事を数多く手掛けたり、一般空調分野では大型物販店のダクト工事の施工案件に対応したりと、事業に安定感が見られる。「新規でお付き合いが始まったお客さまからも当社に対するリピートオーダーを頂けたり、職長の指名発注を頂けたりしていることを鑑みると、品質レベルの良い仕事ができていると受け止めている」(同)。


 今期は社員採用を例年以上に増やし、人材育成に対して多様な方策を打ち出している。新卒採用定員を6人に増やし、従来は工業高校から人材を採用するのが常だったが、今期は昼間のアルバイトで社会と接触がある定時制高校の生徒2人の採用を内定、来春の入社を予定する。中途採用では女性社員を技術職で起用したり、一度定年退職したシニア技術者を迎え入れて後進の指導・育成に当たらせたりと、将来ビジョンを意識した戦略性をうかがわせる。特に女性の技術職への起用については「施工現場で女性視点に立った発想や気配りを生かせる場面があると考え、育成することにした。まず工場内で製作の作業から教育している。将来は女性陣で構成する施工部隊(ダクジョ、竹ガール)を発足するのも一考」と竹本社長は女性の現場進出を奨励する。自身が社員らに宣言した通り「100年続く優良企業を目指す」戦略がにじみ出てきた観がある。社内標語「オープン・チャレンジ」を貫徹し、竹本設備は変化と進化を続けていく構えだ。